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東京地方裁判所 昭和51年(行ウ)155号 判決

東京都町田市金森一丁目五番一一号

原告

金昌煥

右訴訟代理人弁護士

林良二

横山国男

東京都町田市旭町一丁目八番二号

八王子税務署長事務承継者町田税務署長

被告

西別府久

右指定代理人

小野拓美

池田春幸

鴨下英主

渡部康

吉岡光憲

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一、当事者の求めた判決

一、原告

1  八王子税務署長が昭和四九年五月二九日付でした原告の昭和四七年分の所得税についての決定処分及び無申告加算税賦課決定処分(ただし、審査裁決により一部取消された後のもの)取り消された後のもの)を取り消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

二、被告

主文同旨

第二、当事者の主張

(請求原因)

一、原告は、昭和四七年四月一七日その所有に係る別紙物件目録記載の各土地(以下「本件土地」という。)を横須賀ホームサービス有限会社に対し代金合計三、二二〇万円で売却したが、昭和四七年分の所得税の確定申告をしなかつたところ、八王子税務署長は、昭和四九年五月二九日付で原告の昭和四七年分の所得税について分離短期譲渡所得の金額を二、六〇一万九、七五八円とし税額を一、三一六万四、一〇〇円とする決定処分及び無申告加算税の額を一三一万六、四〇〇円とする賦課決定処分をした。

原告は、これを不服として昭和四九年七月二七日に異議申立てをし、更に昭和五〇年二月二七日に審査請求をしたところ、審査裁決庁は、昭和五一年七月二一日付で右決定処分を一部取り消し、分離短期譲渡所得の金額を一、六一五万七、四七〇円、所得税の額を六八九万九、五〇〇円、無申告加算税の額を六八万九、九〇〇円とする裁決をした(この裁決により一部取り消された後の右所得税決定処分及び無申告加算税賦課決定処分を以下「本件処分」という。)。

なお、その後本件処分に関する事務は八王子税務署長から被告に承継された。

二、しかしながら、本件土地の譲渡所得の金額の計算については、右譲渡収入金額三、二二〇万円から次の1ないし5の合計三、二五四万三、〇〇〇円を控除すべきであり、原告には譲渡所得が生じていないから、本件処分は所得のないところに課税をした違法な処分である。

1 本件土地の購入代金 二、一五〇万円

本件土地は、呉奎洙及び呉琴象の共有(各人二分の一の持分)に属していたところ、原告は、昭和四六年春ころ資金繰りに窮した呉琴象から同人の持分(二分の一)の買取方を依頼され、同年夏ころ右持分を代金六五〇万円で買い受ける旨を合意した。原告は、もう一人の共有者呉奎洙の持分(二分の一)も買い取つて本件土地を宅地に造成しようと考え、同人に対し右持分の買受方を申し入れ、昭和四六年八月末ころこれを一、五〇〇万円で買い受ける旨の合意に達した。

そして、原告は、呉奎洙に対する右売買代金として、大同信用組合(現在の神奈川朝鮮信用組合)を通じ同人に対し昭和四六年九月二二日に二〇〇万円、同月二八日に一、三〇〇万円、合計一、五〇〇万円を支払つた。なお、原告は、当時、在日朝鮮人神奈川県商工会(以下「県商工会」という。)の理事長の職に在つたところ、同商工会における部下の趙兢衍に右代金の支払手続を依頼した。

また、原告は、呉琴象に対する右売買代金として、昭和四六年九月二三日県商工会横須賀支部の事務所において同人に対し現金一五〇万円を支払い、昭和四七年八月一一日前記趙 衍に指示し同人名義で大同信用組合横須賀支店の呉琴象の普通預金口座へ五〇〇万円を振り込んで、合計六五〇万円を支払つた。

本件土地の購入代金は、原告が呉奎洙及び呉琴象の両名に対して支払つた右合計二、一五〇万円である。

2 造成費 一、〇五〇万円

原告は、本件土地を買い受けた後の昭和四六年一〇月初めころ天水建設株式会社(以下「天水建設」という。)に対して本件土地の宅地造成工事を注文し、造成工事代金として同月七日に三〇〇万円、昭和四七年二月八日に四〇〇万円及び同年四月二日に三五〇万円の合計一、〇五〇万円を支払つた。

もつとも、天水建設は、本件土地上の樹木の伐採等に着手しただけで、宅地造成について横須賀市の許可を受ける前に倒産し、造成工事を完了しなかつたが、このような場合であつても、右一、〇五〇万円の造成工事代金は、譲渡所得の金額の計算上控除すべき改良費に該当するものというべきである。すなわち、譲渡所得に対する課税は、投下資本の生産力による収益ではなく、資産の値上りによる増加益を課税の対象とするものであるところ、右譲渡所得の金額の計算は、収入金額から取得費及び譲渡費用を控除するものとし、右取得費は、その資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額とされている(所得税法三三条三項及び三八条一項)。しかし、設備費や改良費の支出による付加価値は、資産の自然の値上りによる増加益の概念からはずれるのであつて、設備費や改良費は、課税対象たる右値上りによる増加益と本来対応関係に立つものでないから、その支出により資産の価値が付加されると否とにかかわらず、控除の対象とされるべきである。また、憲法は租税法律主義を規定しているが、その中には租税負担平等の原則が含まれ、すべての納税者は実質的な担税力に応じて租税を負担することを保障されているものというべきである。本件のように、工事請負人の倒産という納税者の意思によらない事情のため納税者に造成工事代金相当の損失が発生した場合、その分だけ納税者の担税力が減殺されるのであるから、右損失は譲渡収入金額の範囲内で調整されるのが公平の理念に合致するのである。したがつて、支払済みの造成工事代金一、〇五〇万円は、控除対象の改良費に該当するというべきである。

仮に、改良費として認められないとしても、本件造成工事代金は、譲渡のためになされたものであるから、土地を譲渡するために建物を取り壊した場合の取壊費用と同様に譲渡費用として収入金額より控除すべきである。

更に、譲渡費用として認められないとしても、天水建設の倒産という原告の意思によらない事由により造成が完成せず本件土地の価値を増加し得なかつたのであるから、本件造成費は所得税法六二条の雑損控除に該当するものである。

3 登記費用 四万三、〇〇〇円

原告が本件土地の購入の際に登記費用として司法書士大竹義雄に対して支払つた金額である。

4 借入金利子 四七万一、三六六円

原告は、本件土地の買受代金の支払に充てるために大同信用組合から昭和四六年九月二二日に二〇〇万円及び同月二八日に一、六五〇万円をいずれも利率年一一パーセントで借り入れ、借入時から本件土地について所有権移転登記手続を経由した同年一二月二〇日までの間の右借入金についての利子合計四七万一、三六六円を同組合に支払つたが、右の借入金利子は以下のとおり譲渡所得の金額の計算上控除すべきである。

原告が本件土地の所有権を取得したのは所有権移転登記手続を了した昭和四六年一二月二〇日であるが、売買代金は前述のようにこれより前の同年九月に支払つているから、本件では売買代金を前払したことになる。このように売買代金が前払された場合には、契約上の売買代金額は実際の代金額に比べて利子相当分だけ安くなるはずであるから、前払金が借入金によつてまかなわれたとすれば、実際の代金額は契約上の代金額に借入金に対する支払利子を加算して算出されることになるというべきである。したがつて、右のような場合の借入金利子は、当該資産の購入価格の一部を構成するものであり、譲渡所得の金額の計算上控除すべきである。

また、固定資産の購入のために借り入れた資金の利子のうち、その固定資産の使用開始に至るまでの期間に対応する分は固定資産の取得価額に算入する旨の通達(昭和三五年直所一-一一及び直資一六)があり、その趣旨は現行の通達まで引き継がれている。そして、右の「使用開始」とは、抽象的な所有権移転ではなく、現実の使用の開始を意味するから、本件においては、所有権移転登記手続を経由して原告が第三者にも対抗し得る完全な所有者となつた昭和四六年一二月二〇日が使用開始に該当するというべきであり、それまでの期間に対応する借入金利子は右通達に基づき取得費として控除すべきである。

5 その他の諸手数料 二万八、六三四円

原告が本件土地売買に関して支出したその他の諸手数料である。

三、以上のとおり、本件処分は、原告に譲渡所得が生じていないにもかかわらず、これがあるとしてなされた違法なものであるから、その取消しを求める。

(請求原因に対する認否)

一、請求原因一は認める。

二、同二の冒頭は争う。

1 同二1のうち、本件土地が呉奎洙及び呉琴象の共有に属し、原告が右両名の持分を買い受けたこと、原告が昭和四六年九月二二日呉奎洙に対し売買代金の内金として二〇〇万円を支払つたことは認めるが、売買代金の額は争い、売買の経緯は知らない。

2 同二2のうち、本件土地の造成工事が行われていないことは認め、原告が右造成工事を天水建設に注文したことは不知、原告が天水建設に造成工事代金を支払つたことは否認、その余の主張は争う。

3 同二3は認める。

4 同二4のうち、本件土地について昭和四六年一二月二〇日に原告に対する所有権移転登記手続がなされたことは認め、原告が大同信用組合に利子を支払つたことは不知、その余の主張は争う。

5 同二5は知らない。

三、同三の主張は争う。

(被告の主張)

一、原告は本件土地を取得してから一年足らずの昭和四七年四月一七日にこれを譲渡して譲渡所得を得たところ、右の所得は租税特別措置法三二条一項の短期譲渡所得に該当し、その金額は、争いのない譲渡収入金額三、二二〇万円から争いのない登記費用四万三、〇〇〇円と後記二の取得費一、四七六万四、五三〇円との合計一、四八〇万七、五三〇円を控除した一、七三九万二、四七〇円であるが、原告は正当な理由がないのに昭和四七年分の所得税の確定申告書を提出しなかつた。したがつて、右の譲渡所得の金額の範囲内である一、六一五万七、四七〇円を分離短期譲渡所得の金額として国税通則法二五条、六六条一項に基づいてなされた本件処分は適法である。

二、本件土地の購入代金について

1 呉奎洙からの持分購入代金は一、一二六万四、五三〇円である。

原告は、右購入代金の支払に充てるため、昭和四六年九月二二日大同信用組合本店から二〇〇万円を借り入れ、同日これを同本店から同組合横須賀支店に振替送金し、同支店において呉奎洙に支払つた。更に、原告は、同月二八日同様の目的で同本店から一、三〇〇万円を借り入れたが、うち二三万五、三七〇円は利息として、うち一〇〇円は受入手数料として各天引され、うち三五〇万円は同横須賀支店の呉琴象の口座へ送金し、残金九二六万四、五三〇円だけについて呉奎洙のために通知預金を設定し、もつて呉奎洙に対して売買残代金として右九二六万四、五三〇円を支払つた。

原告が呉奎洙に支払つた購入代金は右の合計一、一二六万四、五三〇円だけである。

2 呉琴象からの持分購入代金は三五〇万円である。

右1で述べたとおり、原告は、昭和四六年九月二八日に大同信用組合本店から一、三〇〇万円を借り入れ、そのうちの三五〇万円を同日同組合横須賀支店へ振替送金して呉琴象に支払つた。同人に対する譲受代金の支払は右の三五〇万円だけである。

3 本件土地の購入代金は右1、2の合計一、四七六万四、五三〇円である。

三、造成費について

原告は、造成費一、〇五〇万円を改良費等として控除すべきであると主張するが、原告が天水建設に対して造成工事代金一、〇五〇万円を支払つた事実はないから、右主張は前提を欠き失当である。

譲渡所得の金額の計算上控除すべき取得費たる「資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費」(所得税法三三条三項、三八条一項)とは、当該資産の譲渡時における客観的価額の一部をなすものをいい、客観的価値の形成に無関係な支出は資産の取得費ということはできない。すなわち、資産の取得費とは原価性の認められるものであることが必要である。ところが、本件においては、天水建設により具体的に造成工事はなされていないので、仮に原告が同建設に一、〇五〇万円を支払つたとしても、右金員は原価性がなく取得費に該当する余地はなく、また、そのことが特に公平負担の原則に反するとすべき理由もない。

また、譲渡所得における譲渡費用とは、〈1〉資産の譲渡に際して支出した仲介手数料、運搬費、登記登録費用その他当該譲渡のために直接要した費用、〈2〉借家人を立ち退かせるための立退料その他当該資産の譲渡価額を増加させるため当該譲渡に際して支出した費用等をいい、更に、雑損とは、納税者の意思に基づかない災害又は盗難若しくは横領による損失のみを意味する。したがつて、仮に原告が天水建設に対し本件土地の造成工事代金一、〇五〇万円を支払つたとしても、それが譲渡費用あるいは雑損控除に該当しないことは明らかである。

四、借入金利子について

1 本件土地の売買契約は、原告において売買の合意が成立したとする昭和四六年八月ころ又は代金の一部が支払われたとする同年九月二二日に成立したとみるべきであるから、原告が本件土地の所有権を取得したのは、右の時期であり、所有権移転登記手続が経由された同年一二月二〇日と解すべき格別の事情もない。したがつて、売買代金の前払ということはそもそもあり得ず、前払代金であることを理由にその利子相当額を譲渡資産の取得費に算入すべきであるとの原告の主張は失当である。

2 また、資産を取得するための借入金の利子は所得税法三八条一項の譲渡資産の取得費には含まれないものであり、原告の主張はこの点においても失当である。

すなわち、所得税法三八条一項において、譲渡所得の金額の計算に当たり資産の譲渡による収入金額から控除する取得費の範囲を、資産の取得に要した金額と設備費及び改良費の額とする旨を規定している趣旨は、譲渡所得が不動産所得、事業所得又は雑所得のごとく投下資本の生産力による収益ではなく、資産そのものの騰貴により逐年発生している増加益であつて、しかもその資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に清算して課税することとしている関係上、期間計算になじみにくいということに基づくものと解される。そうすると、右の「資産の取得に要した費用」とは、その資産の取得の時までにその取得のために直接必要とした費用、すなわち、その資産の購入代価及び購入手数料、登録費用等購入に直接付随する費用をいうと解される。ところが、資産を購入するための借入金に対する利子は、当該資産の購入に付随して直接支出するというものではなく、資産の購入との関係ではあくまでも間接的な支出にすぎず、資産を取得するために直接必要とした費用ということはできない。また、負債の利子は一般に原価性を有しないと解されている(所得税法施行令一〇三条、一二六条参照)ことからも借入金利子は「資産の取得に要した費用」には当たらないことは明らかである。

更に、借入金利子が「設備費」や「改良費」に当たらないことはその性質上いうまでもない。結局、借入金利子は、現行法上、取得費には含まれないというべきである。

3 もつとも、所得税基本通達(昭和四五年七月一日直審(所)三〇)三八-七においては、非事業用資産の取得費等に算入される借入金の利子等について「固定資産の取得のために借り入れた資金の利子のうち、当該固定資産の使用開始の日までの期間に対応する部分の金額は、業務の用に供される資産にかかるもので三七-二七により当該業務にかかる各種所得の金額の計算上必要経費に算入されたものを除き、当該固定資産の取得費または取得価額に算入する。」とされているが、これは、借入金利子は本来右2のとおり取得費に含まれないものであるところ、ただ個人の事業用資産の場合については、使用開始前の借入金利子につき取得価額に算入することを認め、取得価額に算入するか必要経費に算入するかを所有者個人の任意処理に任せる取扱いをしている(同通達三七-二七)ことから、これとの権衡上非事業用資産についても租税負担の公平の見地から異なる取扱いがなされる不都合を避けるために調整を図つた税務政策上の措置にすぎない。

そして、右通達にいう「使用開始の日」とは社会通念上当該固定資産を使用し得る状態となつた時を指すものと解されるが、土地はその現況に応じて何時でも使用し得る性質のものであるから、土地の場合の使用開始の時は、原則として当該土地の所有権が移転され、引渡がなされた時とすべきである。

本件では、前記1のとおり、昭和四六年八月ころ又は同年九月二二日に所有権が移転され、その時に引渡もあつたとみられるので、この時が使用開始の時であり、使用開始の日を原告主張のように所有権移転登記がなされた時と解すべき根拠はない。そうすると、使用開始の日までには未だ借入金利子は発生していないから(原告の主張では、借入日は同年九月二二日と同月二八日である。)、仮に原告主張の借入金利子の支払の事実があるとしても、これは右の通達に当てはまるものではない。

第三、証拠

一、原告

1  甲第一、第二号証、第三号証の一ないし三、第四ないし第一四号証

2  証人呉琴象、同天水愛作こと李永海の各証言、原告本人尋問の結果

3  乙第四号証の成立は不知。その余の乙号証の成立(乙第五号証、第六号証の一ないし八、第七号証、第一〇号証の一ないし一一、第一一号証の一ないし三は原本の存在を含む。)はすべて認める。

二、被告

1  乙第一ないし第五号証、第六号証の一ないし八、第七号証、第八、第九号証の各一、二、第一〇号証の一ないし一一、第一一号証の一ないし三

2  証人田村静男、同岡田攻、同澤村徹雄の各証言

3  甲第三号証の一ないし三、第四号証の成立は不知。その余の甲号証の成立(甲第一号証、第五ないし第七号証、第九、第一二、第一三号証は原本の存在を含む。)はすべて認める。

理由

一、本件処分の経緯について

請求原因一の本件処分の経緯については、当事者間に争いがない。

二、本件土地の購入代金について

1  本件土地が呉奎洙及び呉琴象の共有に属していたこと、及び原告が右両名の持分を購入したことについては、当事者間に争いがない。

2  そこで、まず、呉奎洙の持分の購入代金について検討する。

(一)  原告が右購入代金の内金として昭和四六年九月二二日呉奎洙に対し二〇〇万円を支払つたことについては、当事者間に争いがない。そして、原本の存在と成立に争いのない甲第五号証、成立に争いのない乙第一号証及び証人田村静男の証言によれば、原告が右支払をするについては、右同日大同信用組合本店から二〇〇万円を借り入れ、これを同日同組合横須賀支店に送金し、呉奎洙はこれを直ちに払い戻して受領したものであることが認められる。

(二)  原告は、右購入代金の残金として、昭和四六年九月二八日大同信用組合を通じ呉奎洙に対し一、三〇〇万円を支払つたと主張し、原告本人も、その尋問において、同組合本店から一、三〇〇万円を借り入れ、その全額を呉奎洙に支払つたと供述している。

原本の存在及び成立に争いのない甲第六、第七号証、乙第一一号証の一、成立に争いのない乙第二、第三号証及び証人田村静男の証言によれば、原告は、右同日大同信用組合本店から一、三〇〇万円を借り入れたが、そのうちの九二六万四、五三〇円だけについて呉奎洙のために通知預金を設定し、二三万五、三七〇円は貸付金利息として天引され(乙第一一号証の一によれば、この利息金は、右一、三〇〇万円の貸付金に対する貸付日である昭和四六年九月二八日から弁済期である同年一一月二八日までの六二日間の年九・一二パーセントの割合による利息金二〇万一、三八九円と、前記(一)の支払のため原告が借り入れた二〇〇万円に対する貸付日である同年九月二二日から弁済期である同年一一月二八日までの六八日間の同率による利息金三万三、九八一円との合計額であることがうかがわれる。)、また一〇〇円は受入手数料として天引されたこと、残金三五〇万円は後記3(一)のとおり同組合横須賀支店の呉琴象の口座に送金されたこと、更に右九二六万四、五三〇円の通知預金の証書は呉奎洙に交付され、同人は同年一〇月四日右元金及び利息金の支払を受けていることが認められる。したがつて、原告が同年九月二八日大同信用組合本店から借り入れた一、三〇〇万円のうち呉奎洙の持分の購入代金の支払に充てられたのは、同人の通知預金に振り替えられた九二六万四、五三〇円のみというほかない。右一、三〇〇万円の全額を呉奎洙に支払つたとの原告本人の供述は、前掲甲第六、第七号証の記載内容に明らかに反し措信できず、他に前認定を左右するに足りる証拠はない。

(三)  (一)の二〇〇万円と(二)の借入金のほかに、原告から呉奎洙へ本件土地の共有持分の購入代金として支払われた金員があつた旨の主張及び立証はないから、呉奎洙の持分の購入代金は(一)の二〇〇万円と(二)の九二六万四、五三〇円の合計一、一二六万四、五三〇円と認めるべきである。

原告指摘の甲第一号証は別件訴訟における呉奎洙の答弁書であるが、そこには、〈1〉呉奎洙は昭和四三年一二月二日ころ呉正泰らに三〇〇万円を貸し付けたこと、〈2〉呉奎洙は本件土地の一部である一、八二六番の一及び二の土地を呉正泰らにいわば詐取されたこと、〈3〉呉正泰らは呉奎洙の抗議で右別件訴訟係争地の所有権を呉奎洙に移転したこと、〈4〉また、呉正泰とその仲間である原告らは右一、八二六番の一及び二の土地を昭和四七年四月一八日に三、六八〇万円で売却し、この売却代金の中から一、五〇〇万円を呉奎洙に支払つたこと、〈5〉したがつて、右別件訴訟係争地は呉奎洙が呉正泰、原告らから二、四八〇万円以上で買つたことになる、との答弁が述べられている。原告は、一、五〇〇万円が呉奎洙に支払われたとの右答弁部分をとらえ、呉奎洙の持分の購入代金は一、五〇〇万円であつたと主張しているが、右答弁書に述べられている一、八二六番の一及び二の土地の移転経緯、転売代金額、代金支払時期、関係当事者等は本件における原被告の主張とかなり異つているうえに、呉奎洙は、右答弁書において、右一、五〇〇万円のうち三〇〇万円は呉正泰らに対する貸付金三〇〇万円の返済分であり、残り一、二〇〇万円が一、八二六番の一及び二の土地の代金充当分である旨を述べているものと解する余地がある。なぜなら、呉奎洙は、右答弁書において、呉正泰らに詐取されたという一、八二六番の一及び二の土地を三、六八〇万円に評価し、その対価として呉奎洙に移転されたという右別件訴訟係争地を少なくとも二、四八〇万円と評価したうえ、その差額一、二〇〇万円が現金で清算された旨を主張しているものと解されるからである。したがつて、甲第一号証は、いずれにしても呉奎洙の持分の購入代金が一、五〇〇万円であつたことの証拠とすることはできない。

また、原告は、呉奎洙の持分の購入代金が一、一二六万四、五三〇円というような端数を含む金額であるのは不自然であると主張するが、何らかの事情によつては結果的に右のような額となることもあり得ないわけではなく、このことのみをもつて前記の動かし難い証拠関係に基づく認定を覆すことはできない。

3  次に、呉琴象の持分の購入代金について検討する。

(一)  前掲甲第六、第七号証、原本の存在と成立に争いのない乙第六号証の一ないし八、第七号証及び証人田村静男の証言によれば、原告は前記2(二)で認定したとおり昭和四六年九月二八日大同信用組合本店から一、三〇〇万円を借り入れ、そのうちの三五〇万円を同組合横須賀支店の呉琴象の口座へ送金したが、右三五〇万円は同人の同支店からの手形借入金の返済に二八〇万円、同借入金利息の支払に三万六、四三五円、同じく手形割引金の返済に二〇万円、同割引料の支払に三、六一六円、同人の別段預金に四五万九、九四九円と、それぞれ振り替えられたことが認められる。そして、証人呉琴象の証言及び原告本人尋問の結果によれば、原告と呉琴象との間において昭和四六年九月ころに本件土地売買以外の取引はなかつたことが認められ、また、本件記録によれば、原告も本件訴訟の過程(昭和五二年一〇月五日付原告の準備書面)で右三五〇万円は呉琴象からの持分購入代金の内金として支払つたものであると主張していたことが明らかであり、これらを総合すれば、原告は呉琴象の持分の購入代金として昭和四六年九月二八日右三五〇万円を支払つたものと認めるのが相当である。

原告本人は、原告から呉琴象の口座に振り込まれた右三五〇万円は天水建設に対する造成工事代金を支払うために原告が呉琴象の口座をいわば窓口として利用して送金したものにすぎない等と供述し、また、証人呉琴象は、右送金の事実を知らず、何の金かよくわからないと供述するが、右各供述は、それ自体不自然であるばかりか、前掲乙第六号証の一ないし八に照らし到底措信できず、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。

(二)  原告は、呉琴象の持分の購入代金は六五〇万円であり、うち一五〇万円は昭和四六年九月二三日県商工会横須賀支部事務所において現金で同人に支払い、残り五〇〇万円は昭和四七年八月一一日趙兢衍の名義で大同信用組合横須賀支店の呉琴象の普通預金口座に振り込んで支払つたと主張する。そこで、以下、原告の右主張について検討を加えることとする。

(1) 本件記録によると、原告は、昭和五一年一〇月二〇日付の訴状においては、呉琴象に対し昭和四六年九月下旬ころ内入金として現金で一五〇万円を支払い、同月二八日に五〇〇万円を大同信用組合で決済したと主張し、昭和五二年一〇月五日付の準備書面においては、昭和四六年九月下旬ころ内入金として現金で三〇〇万円を支払い、同月二八日に三五〇万円を大同信用組合で決済したと主張し、更に昭和五四年一〇月二二日付の準備書面においては、昭和四六年九月二三日ころ現金で一五〇万円を支払い、昭和四七年八月一一日に趙兢衍名義をもつて五〇〇万円を大同信用組合で決済したと主張を変更したことが明らかで、原告の主張には一貫性がない。原告本人尋問の結果によると、本件土地の売買は原告の行つた不動産取引として唯一のものであることが認められるが、それにもかかわらず代金支払に関する主張が右のように大幅に変更されるのは極めて不自然といわなければならない。

(2) (一)で述べたとおり、原告は昭和四六年九月二八日大同信用組合横須賀支店の呉琴象の口座へ三五〇万円を送金し、この三五〇万円は呉琴象の持分の購入代金として支払われたものと認めるほかないものである。原告の代金支払に関する右主張はこの事実と抵触する。

(3) 昭和四六年九月二三日ころ支払つたという一五〇万円について、原告本人はその尋問で大同信用組合から借りて支払つた旨供述しているが、前掲乙第一一号証の一によれば、右同日前後には、前説示のとおり使用された二〇〇万円(同月二二日借入)及び一、三〇〇万円(同月二八日借入)のほかには原告が大同信用組合から資金を借り入れた事実のないことが認められ、原告本人の右供述は措信できない。また、原告本人の右供述に符合する証人呉琴象の供述も、その作成に疑義のある後記甲第一一号証を除けば、これを裏付けるに足る客観的証拠を欠く。

(4) 次に、昭和四七年八月一一日の五〇〇万円の支払の点について、原本の存在及び成立に争いのない甲第九、第一二、第一三号証、乙第一〇号証の一、成立に争いのない甲第一四号証によると、趙 衍なる者が右同日大同信用組合川崎支店において五二〇万円を借り入れ、うち五〇〇万円を同組合横須賀支店の呉琴象の普通預金口座へ振り込んだ事実が認められる。そして、右趙兢衍の借入及び送金について、原告本人は、その尋問において、呉琴象に対する持分購入代金の支払のため、県商工会における自己の部下である趙兢衍に資金借入れと送金を依頼したものであり、同人に対しては昭和四八、九年ころ大同信用組合の同人の口座に五〇〇万円を振り込んで返済したと供述している。

しかしながら、原告本人の供述によれば、原告は資金繰りに窮した呉琴象から本件土地の持分の買取方を依頼されたというのであるから、売買の合意が成立した後一年も経過してから残代金の五〇〇万円を支払つたというのは不自然である。しかも、原告は昭和四七年四月一七日に本件土地を横須賀ホームサービス有限会社へ転売し、転売代金三、二二〇万円を得ているにもかかわらず、なぜその時に呉琴象に対する支払をすませないで、同年八月に至つて趙兢衍に資金を借り入れてもらつたうえで残代金を支払つたのか、説明が困難である。また、趙兢衍が部下というだけで原告のため五〇〇万円もの借入れをしたり、自己の名義で送金するというのも理解し難い。更に、原本の存在及び成立に争いのない乙第一〇号証の一ないし一一によると、原告が昭和四八、九年ころ大同信用組合の趙 衍の口座へ五〇〇万円を振り込んだ事実はなく、趙兢衍が昭和四七年八月一一日大同信用組合川崎支店から借り入れた五二〇万円は昭和五一年に至つても同支店に返済されていないことが認められるのであつて、趙兢衍に五〇〇万円を返済した旨の原告本人の右供述は措信できない。

証人呉琴象も、趙兢衍から送金された五〇〇万円は本件土地の持分の代金であると供述しているが、その供述には顕著な不自然さが認められる。

以上(1)ないし(4)に述べたところを総合すると、原告主張の購入代金支払の事実は、これを否定するのが相当である。これに反する証人呉琴象及び原告本人の供述は採用できない。原告が六五〇万円の購入代金支払の証拠として提出する甲第一一号証は、呉琴象名義の昭和四六年九月二三日付け領収書であるが、その記載内容自体からしても当時作成されたものでないことは明らかで、作為の可能性を否定し得ないことを考慮すると、証拠とするに足りるものとはいえない。

(三)  したがつて、呉琴象の持分の購入代金は、(一)で述べた三五〇万円というべきである。

原告は、本件土地に対する呉奎洙と呉琴象の持分が同じであるにもかかわらず、前者に対する代金が一、一二六万四、五三〇円で、後者に対する代金が三五〇万円であるというのは不自然であると主張する。確かに、成立に争いのない甲第二号証によると、呉奎洙と呉琴象との間において、本件土地のうち一、八二六番の一ないし三の土地に対する両者の持分は各二分の一であることを確認する旨の公正証書が作成されていることが認められるが、証人呉琴象の証言によると、本件土地は現況が未造成の山林でその価値が必ずしも客観的に定まつていなかつたことが認められ、また、原告と右両者との各売買契約はそれぞれ別個に話が進められたものであるうえに、右甲第二号証、成立に争いのない甲第八号証、前掲甲第一号証、証人田村静男及び証人呉琴象の各証言によると、本件土地の権利関係について関係人の主張は必ずしも一致していなかつた事実が認められ、これらの事情を背景に考えれば、右両名に対する代金に右のような差が表われることもあり得ないことではないと認められる。

4  以上のとおりであるから、本件土地の購入代金は、2の呉奎洙分一、一二六万四、五三〇円と3の呉琴象分三五〇万円の合計一、四七六万四、五三〇円というべきである。

三、造成費について

1  本件土地の宅地造成については、それが完了しなかつたという限度では当事者間に争いがない。そして、証人岡田攻の証言により成立が認められる乙第四号証及び証人田村静男の証言によれば、横須賀ホームサービス有限会社から本件土地を譲り受けたエヌケイ物産株式会社の代表取締役金子鍈司が昭和四七年四月一七日ころ本件土地の現況を見た際にも、また本件の審査請求について調査を担当した東京国税不服審判所係官田村静男が昭和五〇年一二月に現地に臨場した際にも、本件土地は傾斜の急な崖地で一面に雑草が生い茂つた状況で、草木の伐採や整地等の工事が施された形跡は一切なかつたこと並びに本件土地の宅地造成について横須賀市に対する許可申請等はなされていないことが認められ、これによれば、原告が本件土地を購入した昭和四六年九月ころからこれを転売した昭和四七年四月までの間に宅地造成工事の着手すらもなかつたものと推認せざるを得ない。証人呉琴象、同天水愛作こと李永海及び原告本人は、草木の伐採や石積みの修理程度のことは行われ、ブルドーザーも入つたと供述するが、右証拠と対比して措信できない。そして、右造成工事が行われなかつた理由につき、原告本人は、造成を請負つた天水建設が昭和四七年五月ころに倒産したためであると供述するが、成立に争いのない乙第九号証の一、二及び証人澤村徹雄、同李永海の各証言によれば、天水建設は昭和四六、七年当時はもちろん昭和四八年一一月ころまで事務所を開き事務員を置いて営業を継続していたものであること、天水建設についての法人税の調査を担当した沢村徹雄係官は昭和四八年一一月ころ税務調査のため天水建設代表者の天水愛作こと李永海と天水建設の事務所で面談しており、李永海が債権者から逃れるために身を隠していた等ということはなかつたこと、天水建設は昭和四六年四月から昭和四七年三月までの事業年度の工事収入を約四、六〇〇万円、翌事業年度のそれを約一億三、〇〇〇万円と自ら計上していたこと、天水建設はその後の昭和四八年一二月に至り解散したことが認められるから、原告本人の右供述は措信できない。

2  次に、造成工事代金の支払関係につき、天水建設が原告から本件土地の造成工事代金として、昭和四六年一〇月七日に三〇〇万円、昭和四七年二月八日に四〇〇万円、同年四月二日に三五〇万円を受領した旨の記載がある領収書(甲第三号証の一ないし三)があり、原告本人も、右の各年月日ごろにその都度大同信用組合から資金を借り入れて造成工事代金を支払い、これと引き換えに右領収書を受け取つたと供述する。しかし、成立に争いのない乙第八号証の一、二によれば、右領収書の用紙は最も遅い作成日付である昭和四七年四月二日(甲第三号証の三のもの)よりも後の同月二五日以降に初めて市販されたものであること、右領収書に印刷されている天水建設の電話番号もその作成日付より後の同年七月二八日に改番架設されたものであることが認められるので、甲第三号証の一ないし三は後日作成日付をさかのぼらせて作成されたものであることが明らかであるし、また、原本の存在と成立に争いのない乙第一一号証の一ないし三によれば、原告本人が造成工事代金を支払つたと供述する前記の三つのいずれの時期にも大同信用組合から当該金員に相応する借入は行われていないことが認められる。しかも、第一回目の造成工事代金三〇〇万円の支払に充てられたという甲第七号証の三五〇万円は前認定のとおり呉琴象に対する本件土地の購入代金に充てられたと認められるものであり、これらの点に照らせば、前記甲第三号証の一ないし三及び原告本人の供述は到底措信できない。なお、証人李永海は、原告から造成工事代金の支払を受けた際には仮領収書を発行し、その後原告から強請されて右甲第三号証の一ないし三を発行したから作成日付をさかのぼらせることになつた旨を供述するが、原告本人の前記供述とも矛盾するばかりか、仮領収書なるものの存在を明らかにする証拠はなく、更に被告から前掲乙第八号証の一、二が提出された後の証言であることをも勘案すると、これまたたやすく措信できるものではない。

そして、他に造成工事代金支払の事実をうかがわせる証拠はない。

3  以上の1及び2に、原告本人が造成工事請負契約書があると供述しながら、その提出がないこと、甲第四号証(見積書)の作成経過及びその内容に関し作成者であるはずの証人李永海の供述があいまいで変転していること、原告の主張自体によつても草木の伐採程度しか行つていない天水建設に約定代金全額の一、〇五〇万円を支払うというのは極めて不自然であるうえに、これについて返還を求めた形跡もないこと等を総合すると、そもそも原告の主張する造成工事請負契約なるもの自体が存在せず、そうであるために造成工事の着手すらなく、造成工事代金の支払もなかつたものであると認めるのが相当であり、これを覆すに足りる証拠はない。

そうすると、右造成工事費を控除すべきであるとの原告の主張は、前提において失当である。

四、登記費用について

原告が本件土地の購入の際に取得費に当たる登記費用として四万三、〇〇〇円を支払つたことについては、当事者間に争いがない。

五、借入金利子について

原告は、本件土地の譲受代金の支払に充てるため、昭和四六年九月二二日に二〇〇万円、同月二八日に一、三〇〇万円を大同信用組合本店から借り入れたから、右借入金利子四七万一、三六六円を本件の譲渡所得の金額の計算上控除すべきものであると主張する。しかし、右利子額を控除するかどうかによつて本件の結論に影響を及ぼさないことは後記七で述べるとおりである。

六、その他の諸手数料について

原告は、本件土地売買に関してその他の諸手数料として二万八、六三四円を支出したと主張するが、その具体的な内容及び支出状況についての主張及び立証が全くなく、これを経費として認めることができない。

七、以上に基づき、本件土地の譲渡による譲渡所得の金額を算定するに、譲渡収入金額三、二二〇万円から二の購入代金一、四七六万四、五三〇円と四の登記費用四万三、〇〇〇円との合計一、四八〇万七、五三〇円を控除し、これから更に五の借入金利子四七万一、三六六円を控除しても一、六九二万一、一〇四円となる。そして、右の所得が租税特別措置法三二条一項の短期譲渡所得に該当し、また、原告がこれについて確定申告をしなかつたことに正当な理由があると認められないことは、前認定に照らし明らかである。したがつて、右借入金利子四七万一、三六六円を控除すると否とにかかわりなく、分離短期譲渡所得の金額は少なくとも一、六九二万一、一〇四円となるから、右金額の範囲内である一、六一五万七、四七〇円を分離短期譲渡所得の金額とし、無申告加算税の額を六八万九、九〇〇円とした本件処分に原告主張の違法はない。

よつて、原告の請求を棄却することとし、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 佐藤繁 裁判官 泉徳治 裁判官 岡光民雄)

別紙 物件目録

横須賀市平作五丁目所在

地番 地目 地積(平方メートル)

1 一、八二三番一 宅地 八・〇〇

2 一、八二三番二 宅地 二四・〇二

3 一、八二四番一 宅地 五四・〇〇

4 一、八二五番一 山林 一〇・〇〇

5 一、八二五番四 二三・〇〇

6 一、八二六番一 山林 二、三一四

7 一、八二六番二 雑種地 四六

8 一、八二六番三 三、四六三

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